野球少年の肩の痛み・右肩が痛いのに左腕?
2014/10/23
小学生の野球少年が来院してくれました。
二週間前に痛めて、なかなか治らないってことでウチに。
彼のポジションはピッチャー(右投げ)。
牽制球を小さなモーションで投げた時に右肩の前に痛みが出たそうです。
今回痛めたのは上腕二頭筋腱。力こぶを作る時の筋肉の腱の部分でした。
おそらくクイックモーションで投げた時が手投げだったのでしょう。
でも原因はそれだけかな?
最近投げ方で気にしていることがないか聞いてみました。
患部に原因はなかった!
聞いたことと、彼の体の状態を照らし合わせると原因となる動きが見えてきました。
原因は左腕の使い方と、胸の張り方!
右肩が痛いのに左腕?って思う方も多いと思います。
彼は球のスピードを上げるために、コーチからのアドバイスを一生懸命にやっていました。
それは「左腕をしっかり伸ばす。その時小指側を上に向けること。そして胸を張る」というもの。
人間は腕を遠くへ伸ばそうとすると、自然に手のひらを下に向けていき、内側へひねる動きになります。
ですから自然と小指が上を向く形になります。
素直な彼は「小指が上を向く」形をがんばってやります。
それが結果的に内側へ腕をひねることが強調されて、左肩に余計な力入りすぎてしまいました。
このように片方の肩が前(内向き)へ、ひねる力が加わると、反対側の肩には後ろ(外向き)へ力が自然と加わります。
彼の場合は左肩が前方へ、右肩が後方へ行く力が加わってるということです。
更にその状態で胸を張ろうと、無理に背中に力を入れていました。
これは右肩の後ろ側に力を入れ、固めた状態で投げていることになるので、後ろから引っ張られた形となった前側に負担がかかったと言う訳です。
左肩をゆるめ、肋骨の硬さをゆるめ、自然に胸を張れるようにするとその場で右肩の痛みはなくなりました。
これからのトレーニングに
あとのアドバイスとして彼には「側転」の練習をしてもらうことにします。
左腕をしっかり伸ばす必要はあるのですが、腕だけ伸ばしてもその効果は十分ではありません。
体幹を中心に腕、脚の四本に均等に伸びるような力が伝わる必要があります。
その練習をするために手脚をしっかり伸ばして側転をしてもらうのが狙いです。
回転するときに、体幹が崩れないようにするのがポイントです。
素直な彼のことだからすぐに復活してくれるでしょう。
剛速球が投げれるように「気」をおくりますねー
子供たちの治療してて時々思うこと。
熱心に一生懸命指導されてるんだろうなーというのは伝わってきます。
その中でも、子供たちを指導する立場の方は、伝えていることが本当に正しく伝わっているのかを常に自分で吟味する責任があると思います。
全ての子供たちがこちらの意図通りの解釈をしているとは限りませんもんね。
私も自戒の念をこめて。
では、またここで。
sainoworks
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