アイシングについて
2014/07/11
二十四節気:立夏
七十二候 :蛙始鳴「かわずはじめてなく」(5月5日~9日ごろ)
今は一般常識とされていることでも、丸々鵜呑みにしていると期待とは逆の結果になることも。先日行ったサポート活動の時に感じたことを書きます。
そのアイシングは本当に必要か?
施術を受けに来てくれる高校生アスリートの中には自分の体ケアを日頃から習慣としてるコもいます。そんな選手は片手にあるものを持ちながらやってきます。それは氷を入れて体を冷やす、アイシング用のアイスバック(氷のう)です。
故障して痛みの出ているところをそれでアイシングしているんですね。痛みが出ていなくても予防としてアイシングをしてることも。そういう指導を受けているから実践しているのでしょう。
「怪我したら、痛いとこにはアイシング」は現在では常識とされています。しっかりとアイシングで冷やされた患部をみるといつも感じること。それは「このアイシングはそもそも本当に必要なのか?」ということです。
アイシングの狙い
まずアイシングとは氷で局所を冷やすこと。冷やされることで末梢の血管は縮み、血行が抑えられます。その血行が抑えられる体の仕組みを利用してケアしようというものです。具体的には
- 血行が抑えられることで怪我直後の皮下出血(内出血)、つまり「腫れ」の量を抑える。
- 細胞内に溜まった細胞液・血液(腫れた状態)が周りの損傷してない細胞を圧迫してダメージを与える二次的損傷を防ぐ。
- 痛覚神経を麻痺させ痛みを感じにくくさせる、などです。
アイシングの弊害
怪我をした直後に2の状態を防ぐや、3の痛みで筋肉が固くなりさらに痛みを助長するのを防ぐ目的というのはまだ分かります。しかし二次的損傷する可能性がなくなってからも痛いからと言って冷やし続けているケースはよくあること。
アイシングをすると、冷やした箇所は局所的に細胞の新陳代謝のレベルが低下します。これが曲者。新陳代謝が落ちるということは回復も遅くなるということです。
そしてアイシングで抑えようとしている「腫れ(内出血)」も細胞の修復には必要な過程なので全く抑え込むのは逆効果。風邪の発熱薬で無理に抑え込んで逆になかなか体調が回復しないケースと同じです。
私が直接診れるときはアイシングはしてもらいません。上記の理由と経験上、その怪我の「治癒」に至る期間が長くかかってしまうように感じるからです。それは適切と言われるアイシングであったとしてもです。あくまでも私見ですが。
そうは言うてもどないしたらええねん!
てなりますよね。もしアイシングするなら冷やすことが心地よく、体の力が抜けるようになるか?が一つの目安になるかと思います。その時期が過ぎれば早めにアイシングは切り上げた方がいい。よく72時間までと言われますがご自身の体の感覚に従われた方が賢明だと思います。
アスリートの方は特に怪我に至った動きの中に原因があるということを頭において対処していただきたい。常識と言われることでも鵜呑みにせず、自分にとってはどうか?を自分の感覚で試行錯誤する。色々試しご自身の体に本当に合ったケアを見つける助けになれば幸いです。
sainoworks
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